債務整理時に管轄裁判所の移送申立があった場合はどうする?

債務整理には、債権者の最後の足掻きとも捉えることが、期限利益の喪失以外にもまだあります。それが移送申立です。

債務整理を進めるために、債権者を相手取り訴訟を起こすことはよくばります。そのためにアディーレなど、弁護士事務所にも訴訟を手伝ってもらうわけですが、逆に債権者側から訴えられるのがこの移送申立です。

移送申立とは、ある裁判所が、管轄の問題から係属している事件を別の裁判所に係属させる制度のことを言いますが、当事者の申立てによる移送なども移送申立には存在しています。たとえば、貸金業者による移送申立てがこれに当たります。

貸金業者の移送申立は時間稼ぎの場合がほとんど

このケースでは、消費者が貸金業者に対して、過払い金返還請求の訴訟を提起しますが、貸金業者側が管轄が違うなどの様々な理由を付けて裁判所に対して移送をするように申立てをするというもの。

そもそも、過払い金返還請求の訴訟はどの裁判所に訴えを起こせばよいかというと、請求金額が140万円以下の場合は簡易裁判所に、140万円以上の場合は地方裁判所に管轄があります。

そして過払い金返還請求の場合は、相手方となる貸金業者の本店所在地、取引をしていた営業所の所在地を管轄する裁判所のほかに、原告本人の住所地を管轄する裁判所も管轄として認められています。 つまり、不当利得返還請求(過払い金返還請求)の場合は、貸金業者の所在する裁判所だけではなく、原告本人の住所地を管轄する裁判所も管轄として認められているのです。

この場合、原告本人の住所地を管轄する裁判所となることが多いのですが、移送申立によって貸金業者の所在する裁判所を主張するというのは、たんなる嫌がらせ、時間稼ぎ、足枷としか思えない場合もあり、しばしば原告側を混乱させます。

やる業者は決まっており、もう移送申立を濫用することはありませんが、切羽詰まった業者がまた移送申立をしないとも限りません。アディーレなどの弁護士がついていれば大丈夫ですが、一人で戦っている場合は、対応には十分注意してください。