債務整理で期限利益の喪失って何?

期限利益の喪失という言葉をきいたことがあるでしょうか? 期限利益の喪失とは、手短に言うと、借りているお金の返済ができない場合に、債務者がその利益を失うことです。

よく約款等にあるのが、債務不履行が行われた場合、速やかに一括で返済するものとするなどといったことが書かれている場合がありますが、これが債務者が期限利益を喪失した状態です。

この期限利益の喪失ですが、実際には2回の返済延滞でも喪失するとされていますが、たとえば、クレジットカードの返済が毎回のように遅れる人でも、次の約定日までに返済しているようなら、いきなり一括返済を求められる事はほぼ無いでしょう。

ただし、これは普段の取引の話であって、債務整理や過払い金請求では債権者が債務者に期限利益の喪失を使う場面があり、注意が必要です。

債務整理で見せる期限利益の喪失は債権者側の最後の足掻き?

過払い金請求で債権者が債務者に期限利益の喪失を使う場面とは、返済中に債務不履行があり、それに対して遅延損害金利率として法律上認められる金利を求めてくるもので、それが利息制限法の上限金利の1.46倍ということになり、29.2%という懐かしい利率が認められているのです。

この過払い金請求での期限利益の喪失は、過去の裁判でも真逆の結果が出ていて、非常に悩ましい問題となっています。ただ、期限利益の喪失を突きつけられても、同じ利率が何年も続いており、なおかつ追加融資にも応じている場合は、期限利益の喪失の適用は無理があると思います。

また、残っている明細にも遅延損害金の記載がまったくない場合も、期限利益の喪失を債権者が主張してきても、退ける事はできそうです。

債務整理で見せる期限利益の喪失は、債権者側の最後の足掻きとも言える場合がほとんどです。弁護士の指示に従って対応すればほとんどが無効とされるはずです。