特定調停という債務整理はもはや過去の遺物か?

先日は特定調停が任意整理と同じレベルの減額が可能ならと伝えたところですが、任意整理と同じレベルというとグレーゾーン金利の金利引き直しを越える減額をという意味です。そのレベルの借金の減額が、すべての例で可能かと言うと、これは任意整理であっても難しいのが現実です。

いまの法定金利は必ずしも現状に合っているとは言えない

じつは特定調停や任意整理だけが、以前のような債務整理による減額が可能なわけではありません。民事再生(個人再生)も基本的な減額を金利の引き直しで行なっています。ですから、グレーゾーン金利が撤廃されたことは、債務整理の減額幅(そのうま味)も無くしてしまったことを意味するのです。

とくに特定調停ができた当初は、法的なグレーゾーン金利の撤廃がこれほど早く実現するとは誰も想像していなかったはずです。結果的に29.2%という金利は全廃となりましたが、利息制限法の上限金利も、いまの経済レベル(または経済格差)に見合ったものとは言えなくなってきているのではないでしょうか。

ただし、いまの法定金利を下げるというのは無理で、やはり個人レベルで、過度なクレジット利用を慎むことでしか、身を守る方法はないと思います。僕らのクレジットやローンの利用が現在の半分になっても、金融業界は潰れることはありません。ですが、それを利用するレベルにない僕らが、彼らのサービスを使い続けていたとしたら、そちらの方が危険です

特定調停というリーズナブルで便利な債務整理が過去の遺物になってしまう昨今を思うと、時折このようなことを考えてしまいます。