アディーレも扱っている「自己破産」は免責不許可事案が増える?

自己破産とは、様々な事情から借金の返済ができなくなった債務者に、借金弁済の放棄を法的に認めてもらう手続きのことで、自己破産を認めてもらうと、すべての借金から返済をしなくて良くなります。

言い方を代えれば、自己破産とは、任意整理や特定調停のように、整理する借金を選べなくなります。つまり、自己破産が認められると、本当なら自分で返済したいしたい連帯保証人のついた借金も、一緒に整理しなければなりません。

そうなると、債権者は次に連帯保証人に返済を求めなければならず、しばしば問題になります。

自己破産はグレーゾーン金利に左右されにくいが…

アディーレは弁護士法人ですから、これまでも、多数の自己破産事案を扱ってきました。そして、債務整理はピーク時より減少はしていて、自己破産も同様に減少はしているのですが、任意整理や特定調停とくらべると、自己破産はそれほど減っているわけではありません。

これは、自己破産がグレーゾーン金利に左右されにくい債務整理だからというのもありますが、もう一つ、債務整理のピーク時より、労働環境が厳しくなったことが要因としてあげられます。

自己破産は、支払不能状態にあることを裁判所に認めてもらう必要がありますが、単純にまだ仕事があった2000年代とは違い、借金をしまくり、そして仕事も不安定と言う方が、非常に増えているのが今ではないでしょうか。そして無理して借りた借金が返せなくなり、にっちもさっちもいかなくなると、自己破産をしてしまう方が圧倒的に増えてきているのだと思います。

自己破産は、債務者を救うという観点だけで考えた時、非常に良い方法です。ただ、ほかの債務整理に比べていっこうに減少しない自己破産は、裁判所にしても、今後さらに厳しく審査せざるを得なくなっていることを、ある裁判官から聞いたことがあります。

自己破産を申請したら、ほとんど場合、免責が認められたのがこれまでの自己破産のイメージでしたが、このままでいけば、なかなか免責がおりない事案が、これから益々増えていくのを心配するばかりではないでしょうか。